日々の記録や日記
日々のくらし2019.10.08
週末、友人の彦根明さんのはからいにより
学生の頃から憧れていた建築家・阿部勤さんの自邸を訪ねる機会をいただいた。
写真やインタビュー記事等を通して幾度となく眺めてきた住まいにもかかわらず、
実物を目の前にして圧倒的な新鮮さと存在感に驚かされた。
奇抜ではないのにどこでも見たことがない。
初めてなのになつかしい感じ。
面積は特別広くないのにどこまでもつながってゆく空間。
果てしなく連続してゆくのに、「ここ」にちゃんととどまる居場所がある。
外の緑を通して入ってくる光が心地よく、「ここにおいで」と手招きしているよう。
そんな私の気持ちを阿部さんはすっかりお見通しの様子、
「寝てみていいよ」と言っていただいた。
初めて来た場所なのに・・・気持ちが開放される。
生活がすべて見えるのに嫌なものがひとつもない。
それどころか、物の羅列がカッコよく、心地よい。
阿部さんは、「住まい」そのものや
あちらこちらに置かれた物との関係を丁寧にお話してくれた。
今でも窓から差し込んでくる光の美しさにドキリとすることがあるという。
長い間一緒にいる恋人の話を聞いているようだった。
後ろ髪を引かれながらもその場所に別れを告げ、
外に出ると光や匂い等空気ががらりと変わった。
建築って世界をつくるんだ・・・と強く感じた。
長い物語を読んだ後のような気分だった。
阿部さん、豊かな世界を体験させていただきありがとうございました。
そしてこの機会を作ってくれた彦根さん、本当にありがとうございました。
(Misako)