明野設計室

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水は空気より軽い

ただいま仕事中2022.01.11

昨年春から毎回参加させていただいている、
城東テクノ(株)のオンライン結露セミナー。

そのクイズコーナーで参加者不正解が最も多かった1コマ。

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Q「湿気を多く含んだ空気は、重い?軽い?」
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正解は、軽い、です。

湿気といわれて、水だと直感するから、下に沈むように感じるのです。
液体が浮くイメージは、何かのマジックか、
宇宙空間ぐらいでしか思いつきません。

ところが、水蒸気(気体の水)だと考えると説明がつきます。

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▼ここから中学校理科
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そもそも私たちが吸っている空気というのは、
窒素(78%)、酸素(21%)、アルゴン(0.93%)の混合気体です。
ちなみに、二酸化炭素(0.03%)です。

細かいことは抜きにして、
ざっくりと窒素と酸素が、8対2だとします。

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▼ここから高校化学
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どの気体分子も、ある決まった個数を集めると、
特有の重さを持ちます。

その個数というのが、6.02×10の23乗 個=1mol です。
(※モルで挫折した高校生が多いはず)

純粋にそれぞれを1mol集めてみると、
そのときの重さは、
窒素ならば、28グラム。
酸素ならば、32グラム。

では、水蒸気では?

18グラムです。

窒素、酸素に比べたら、かなり軽いことがわかります。

それもそのはずで、
窒素N2は、窒素原子Nが2個、
酸素O2は、酸素原子Oが2個、
水H2Oは、酸素原子Oが1個で、あとは最も軽い水素原子が2個、
で成り立っています。

さて、今回のクイズの「湿気を多く含んだ空気」。

大げさな絵にすると、こんな状態。

空気全体の割合に、水蒸気が増えた状態。

重いものの数が減り、
軽いものの数が増えたのですから、
当然、全体は軽くなります。

これが、湿気を多く含んだ空気が ”軽い” ワケです。

現代の木造住宅技術において、
・天井の気密化
・外壁と屋根の上部での通気確保
が、特に重要視されるのも、このためです。

湿気(水蒸気)を多く含んだ空気ほど上に行きたがり、
・小屋裏に入りたがる
・建物の上に集まるほど流速が大きくなる
からです。

当たり前に設計でやってきたことの道理が、
すっきりと解明されていくのが面白いです。

先日、城東テクノさんから、
「セミナー最終回は、2時間スペシャルです!」という、
案内メールを頂きました。

いや、いつも2時間くらいやってますよね。。

(スタッフSusa)

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