明野設計室

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なつかしの本畳

ただいま仕事中2022.09.13

マンション改修のご相談を頂いて、まずは実測に。

和室の床を持ち上げてみると、
畳床から稲わらで編んだ昔ながらの「本畳」でした。

重いです。

これ、台風ボランティアとして、
災害復旧に参加したときにも思いましたが、
濡れるとさらに重いのです。
1人では持ち上がりません。

現代では、和室を作ったとしても、畳床はわら編みでなく、
畳表もい草でないことが増えているのかなと思います。

国産の高級稀少い草で作ることはなかなか難しく、
中国産のい草を使うよりは、という考えもあるのでしょうか。

現代畳として、よく聞くのは、この2社。
まずは、カタログを請求してみました。

ダイケンさんの「健やか畳」は、和紙+樹脂コーティング、
セキスイさんの「MIGUSA美草」は、樹脂+炭酸カルシウムの複合材です。

どちらも、い草に風合いを似せつつ、
耐カビ、耐摩耗など高機能です。

ただ、2社ともはっきりしていることは、

「畳のいい香りはしません!」ということ。

あの香りが好きという人は、い草一択ですね。
一長一短です。

改修での既存図起こしは、
レーザーで実測したとしても、そのまま描くことはできません。
現代のCADで直線描きすると、
逆に辻褄が合わなくなることがままあるのです。
上手に、それぞれの寸法を誤魔化していかないと、
全体としての整合は取れず、破綻します。

あとは、想像力。

当時の設計者さんや大工さんは、
おそらくこうしたかったんだろうな、
ということを予想して、補います。

こういうところを再現して描くのが難しいのですよね~。

どうせ改修で壊してしまう部分になるのかもしれませんが、
いちおう再現しておきたいと思うのは、作図者のエゴです。

 

(スタッフSusa)

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