明野設計室

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噛みつき書房

日々のくらし2022.11.22

個人の思いが強く伝わるものが好きです。

先日立ち寄った古本屋さんは、まさに何も語らずとも店主の思いが伝わるお店だった。

そもそも古本屋が好きな私ですが、中間期とは言え、大きく開かれたままの扉や

ガラスに描かれた口先だけしか見えない不思議なイラストに誘われて迷うことなく店内へ。

古本屋さんは、新しい本屋さん以上にそれぞれのお店の個性を感じることも、

好きな理由のひとつ。

集めているのか、それとも集まってくるのかわからないが、お店によって置いてある本にも

特徴があり、独特の匂いと空気を感じる。

何もこんな遠方で本を買う理由もなくちょっとだけ中を見るつもりが、

本棚に収まっている背表紙やところどころに置いてある口の先だけのイラストの

オリジナルグッズから目が離せなくなり、ついつい長居に。

店主と話をしてみたいけれど、なかなか沈黙を破ることができず、

何度も何度も小さな店内をぐるぐる、ぐるぐる。

「可愛いマークですね」とやっと声を掛けてから、ハッと気が付く。

お店の名前は「紙月書房」・・・頭の中で音にしてみる。

か・み・つ・き・書房!

「犬と暮らしていたんです」と小さなアルバムを店主が出してくれた。

今はもう亡くなってしまったという。

どんな犬だったんですか?と聞くと、「いい奴でした」と一言。

犬との深い関係が、その一言で伝わってきた。

結局、20代の頃から何回チャレンジしても最期まで完読することができない本を見つけ、

これも何かの出会いだと思い購入した。

最近はめっきり買うことがなくなったカバー付きの装丁。

足跡マーク付きの手作りの栞とカレンダーを本と一緒に袋に入れてくれた。

帰宅後、HPを覗いてみると・・・なんと、店名の由来は犬とはまったく無縁のものだった。

紙月書房・・・英語にすると「ペーパー」「ムーン」

HPによればジャズの名曲からとったという・・・!?

あれれ、「噛みつき書房」は、私の妄想か?(笑)

いやいや、あのお話とあのイラスト、きっとダブルミーニングなのだ。

店主のいろんな深い思いの詰まった小さな古本屋さんは、山形の文翔館の真裏にありました。

HPを眺めながら、次に行った時には、絶対珈琲をいただこうと思った。

(Misako)

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