明野設計室

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気になる防水の書き改め

ただいま仕事中2023.11.01


少し前の『日経アーキテクチュア』表紙です。
どこでも風水害が当たり前になってきました。

今まで以上に防水設計と確実な施工、
また、その監理に気を張る必要があるかなと思っています。

そんな折に、届いた「まもりすLetter vol.14」。

住宅瑕疵担保責任保険法人である、
住宅保証機構株式会社が発行しているメルマガです。

その中に気になる記載が。。。


「外壁出隅部の防水紙は、通し施工が望ましい。万一、重ね合わせする場合は~」

え、万一??


外装材の下で、さらに建物の防水を担うことになる透湿防水シート。
どのメーカーの商品でも、一般に上下ラインが入っていますので、
施工時に上下の重ね代が足りなくなっているということはまずありません。

問題は、左右方向。

頼りになるラインもなく、つい施工がルーズになりがちです。
重ね代が足りないです、と現場で指摘したことは何度もあります。
リノベーションで外装をやり直す場合、特に注意がいる部分でもあります。

確か、入隅だけでなく、出隅も重ね張りが基本だったような。。。
図面の特記仕様書でも、その内容で記載してきました。

 

改めて各所を確認してみると、


日本透湿防水シート協会 の施工要領(2019年)では、
「出隅は、通し施工とするか、重ね施工とするかどちらでも」という記載。


主要メーカーである旭デュポンの施工要領(2011年)では、
「出隅は、重ね施工とする。タイベックは一枚続きでも可」という記載。

タイベックは、業界で初めて20年の性能保証を始めた商品です。
防水に自信があるので、我が社の商品であれば通し施工でも大丈夫です、
そういうニュアンスかなと思っていました。

 

どうやら年代を追うごとに、
「出隅は、通し施工のほうがベター」となってきているようです。

 

今回もらった住宅保証機構さんの資料も、
当然、実際に多くの住宅現場での検査、調査、実証データを元にして、
記載配布しているものと思います。

果たして、出隅でシートが破れてしまう事態が、どのくらい起こるのか。
弱点になりうるから、重ね張りの記載もあったわけです。

経年変化や建物の動きにも関係していそうですが、
工務店さんや構造設計者さんの意見も聞いてみたいところ。

ちょっと意識改革でした。

 

(スタッフSusa)

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