明野設計室

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私達の住まいのこと

私達の家のこと

私達の家のこと

少しづつでいい、少しづつがいい。
家作りはそんなふうにずっと現在進行形がいいと頭で理解していたけれど
この家に住み始めて丸8年(2007年記載当時)、つくづく実感として思うこの頃。
はじめから十分な予算があったわけではないけれど、
今になってみると「少しづつ・・・」の理由はどうやら予算だけではないようだ。

デッキを造る

<デッキを造る>

入居当時、張り切って小さな庭に芝生を張った。
けれど愛犬のおしっこはあっという間にそれらを枯らしてしまった。
しかもラブラドールという大型犬が走り回れば、その摩擦にも耐えられない。
そしてすっかり禿げ上がってしまった庭、部屋の中まで愛犬が土を運んでくる。
困り果てた末に大胆にも庭の大半にデッキを設えることにした。
三日月形状の形が優しい、けれど材質はとてつもなく頑丈なイペ材のデッキ。
周囲に多少の土を残し、植物を植えている。
お天気の良い日は愛犬2頭がうとうとと日向ぼっこ・・・問題解決!

本棚を造る

<本棚を造る>

我が家のメープルのテーブルは、仕事の打合せに食事に・・・と多目的に使われる。
だからできる限りその周囲をすっきりと保つように努力してきた。
いつでも「打合せ」や「食事」に対応できるようニュートラルにしておきたいから。
そんな「いつでも何かを始められる感じのテーブル」の横に本棚を設えた。
置き家具か造り付けか考えた結果、
私達は既存の掃き出し窓を囲むような形の造り付け本棚にすることにした。
ここには新しい本や特にお気に入りの本、それからちょっと一休みする時や打合せの相手をお待たせしてしまう時にぱらぱらとめくれるような本をセレクトして置いている。
図書館の窓辺の席みたいだね、と誰かが言っていた。

前庭・車よせを造る

<前庭・車よせを造る>

新築当初予算がまわらず、砕石に平板を自主施工で敷いた車よせ。
ハンドルをきる度に平板がずれ、その都度直しながら使ってきたがもう限界。
やっぱり何か硬いもので舗装しよう。その代わり少し植栽を増やして、印象はあまり硬くならないように。いつもは設計者の立場の私達だが、今回は書籍を通じて憧れていた植物のプロである民園の井田氏にお願いすることにした。
私達の好きなイメージやずぼらな性格を伝え、スケッチを待った・・・
そして数ヵ月後、私達だけではなくご近所の方々までが喜んでくれる前庭が完成した。
それは季節がめぐるのがますます楽しみになるような想像していた通りの豊かな庭。
おまけに、何も伝えなかったのにちゃんと目立たない場所に
ゴミバケツ置場まで作ってくれていた・・・感激!

IKEAにはまる

<IKEAにはまる>

遂に日本にも上陸!話題のIKEAは安価で便利な「ちょっとしたもの」の宝庫。
大きな家具以外にも棚やバー、取手などの汎用性の高いパーツがたくさんある。
しかも驚くほど安いので、欲しくなったらすぐに買えてしまいます。
キッチンにバーを付けた。こわれかけたかごバックを掛けてリサイクルに出す
牛乳パックをぽいっと入れる。洗濯にはまだ惜しいエプロンを掛ける。
玄関に棚を付けた。高い位置からアイビーを垂らす。犬がいたずらするので低い位置に植物が飾りにくいから。

時間を掛けて暮らしてみないとわからないあいまいな感じの生活感。
生活して初めて気づくことがある。
変わらないようでいて、その生活も私達も少しづつ確かに変化している。
これから増えていくものもあるし、永い時間の中で失っていくものもあるだろう。
年をとることで身体的にも精神的にも変わっていくこともあるだろう。

今日もそろそろメンテナンスをしなければならない部分も含めて
またあーでもない、こーでもないとアイデアをあたためている。

そんな時間がとても楽しい。

吹抜けをなくす

<吹抜けをなくす>

私(美佐子)が育った実家の居間にはL型ソファがあった。
サイズは2700×2700程ある大きめで、シンプルな布張りのものだ。
5人家族がみんな揃って座ることができる上に、真正面から対座することのないL型ソファは
まったりとした時間を過ごすのにちょうど良かった。

そんな生活の中にあたり前としてあったL型ソファの良さに気がついたのは、実家を出てからのこと。
TVと対面して置かれる2~3人掛けのI型ソファは何だかよそよそしく、
人が集う場所として何かが欠けていた。

いつかL型ソファを置きたいなぁ・・・・・これが増床を考え始めるきっかけとなった。

仕事の打合せにも使う食堂の上部の吹抜けに床を張る。それによって得られるプラス面とマイナス面について数年もの間考え、遂に2007末、決行に踏み切ったのだった。

吹抜けがなくなり、1階の食堂は以前より少し暗くなった。
大好きなケヤキの樹が1階からは根元しか見えなくなった。
居間から食堂や土間を見下ろすこともできなくなった。

けれど、食堂には以前にはなかった落ち着きが生まれた。
低く抑えられた天井からルイスポールセンのペンダントを吊るした。
居間と食堂は独立感が強まり、それぞれの特徴がはっきりとした空間となった。
そして、もちろん居間には念願のL型ソファが置かれた。

ケヤキの緑が窓一面を覆う新緑の頃、両親を招待した。

三つの「き」

「House」「Home」