間取りに始まり、構造、意匠、設備、採光通風、断熱性能、メンテナンス性、十分な収納量…等
住まいをつくるにあたり叶えたいことはたくさんあります。
けれど、同時に敷地、予算、法規…等、条件や制限もたくさんあります。
そもそも住まいは相反する要素を共存させなければならない側面を持つものです。
そのような中で私達が大切にしていることとは・・・・
<バランス>
たくさんのご希望があると思います。それを一度すべてお伺いした上で整理して、設計者の立場から住まい
手にあったバランスをご提案します。ただ、どのような条件でも基本性能に関わる部分は優先させることを
お薦めします。その一例として当事務所では、現在すべての住まいで構造計画に関しては専門の構造事務所と
共に基準法以上の自主基準を設けて、設計を行っています。
将来リフォームやメンテナンスで補える部分はご相談の上、ご予算に合わせて取捨選択していきます。
<コスト>
計画の中でどこにコストを掛けたいのか、あるいはかけるべきなのかを、住まい手と共に考えます。
そしてコストパフォーマンスの良い建物を常に目指します。見積り調整の段階では、住まいの本質を
失うことなくご予算に納まる方法を、工務店にも協力してもらいながら考えます。
<日常生活>
時々おしゃれなレストランでご馳走を食べることはとても素敵なことだけれど、
私達の身体を健やかに保ってくれているのは日々の食事です。
住まいは人生の中で最も永くに渡って過ごす場所です。毎日繰り返される家事が合理的に行えて、
気持ち良く家族で食卓を囲めて、窓からちらりと見える樹木に四季の移り変わりを感じることができる
…そんなささやかだけれど気持ちの良い日常が送れる普段着の似合う場所を作りたいと思います。
<動線>
家事動線だけではなく、私達の生活は動線と密接に関係しています。「関係」というよりも「生活=動線」
と置き換えても良いでしょう。そこに住まう人のあらゆる動線を考えることが、暮らしを快適且つ便利に
するのはもちろん、時には楽しくドラマティックにさえします。じっくりと考えられた動線が暮らしを
支えます。
<プロセス>
賃貸や建売りを購入する等、住む場所を得る方法はいろいろあります。
その中でなぜ設計事務所で注文住宅を建てる(リノベーション)のかを考えた時、
その意味の一部がプロセスの中にあると思います。
十分な時間をとって、これまでの暮らしやこれからの住まいについて話し合っていきます。
竣工後は見えない所や小さなところまで、しっかりとご説明させていただきます。
<経年変化>
糊がバリッと効いた新しい服は、嬉しいけれどちょっと肩が凝ったり着心地がしっくりこなかったりすること
がありませんか。新しいことはひとつの価値観ですが、永い時間を経てこそ感じられる良さを大切にしたいと
考えています。間取りならその時々によって住まい手の工夫が生かせるような、素材に関しては経年変化が
プラスに感じられるようなもの。ざっくりとしてシンプルな洗いざらしたGパンのように、時の流れと共に
住まい手や街並みになじんでいけるような住まいを目指しています。
<図面>
竣工してから「思っていたのとは違う」という行き違いのほとんどが図面不足にあると言います。
私達は基本設計でじっくりとお打合せしてきた内容をすべて図面に記載します。
見積図の段階から、実施設計同様の図面を書き、正確な見積りを出してもらっています。
実施設計図を保管していただければ、将来のメンテナンスやリノベーションも問題なく行えます。
<現場、設計監理>
上棟後は原則として2週に一度、住まい手と設計者、現場担当者の3者で定例を行っています。
なぜなら、「施主」「設計」「施工」それぞれの立場の人がそれぞれの視点で関わることが、
より良い住まいにつながると確信しているからです。
上棟までの構造に関わる工程は、構造事務所と共に現場監理を行います。